Rafaël Rozendaal: Looking at Something 2023

国立京都国際会館にて開催されたArt Collabolation Kyoto(2023年10月28日〜30日)のSpecial Program展示。コダマシーン(金澤韻+増井辰一郎)の仕事。


Photo. Gu Kenryou

Photo: Gu Kenryou

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ラファエル・ローゼンダール 《Looking at Something》

インターネットが包含する無限ともいえる時空間に触発され、ラファエル・ローゼンダールは、2000年ごろから明快なグラフィックによる動く絵画作品をネット上に発表しはじめました。コードによってリアルタイムに生成される泉のようなアニメーションは、特定の地域や年齢層などに意味内容を限定することなく、より普遍的なイメージとして、私たちにフレッシュな驚きと瞑想的感覚をもたらします。

PCのウィンドウ、タブレットやスマートフォンやモニター——どんな形のスクリーンにも合わせて現れるその作品は、「ガスや液体のようなもの」と彼自身がたとえるように、常にそこにあっていろいろな時と場所で姿を現すという彼の芸術上のコンセプトをよく表しています。そのアイデアはまた、2010年代より開始したレンチキュラーなどのフィジカルな作品、また言葉の芸術である俳句など、ローゼンダールの多岐にわたる活動にも反映されています。

NFTという形で広く知られるようになるずっと前から、ローゼンダールはデジタル作品の所有について考えてきたコンセプチュアル・アーティストでもあります。彼のホームページで公開されている作品は、販売され所有者が定まった後も、ネットにつながってさえいればアクセスできます。作品内に表現された無限の時空間は世界中に広がり、芸術を楽しむ人々の手元にまで届けられているのです。

Art Collaboration Kyotoでは、私たちが日常の中で時を過ごすような空間に、ローゼンダールのウェブサイト作品とNFT作品が姿を現します。このインスタレーションを通じて、ローゼンダールは、気がつきさえすれば、いつもそこに芸術はあるのだと語りかけています。
(Text by 金澤韻)

展示作家:ラファエル・ローゼンダール
キュレーター:コダマシーン(金澤韻+増井辰一郎)
リードパートナー:株式会社エディオン
オフィシャルパートナー:株式会社マルニ木工
特別協力:Takuro Someya Contemporary Art
制作:Twelve Inc.
モニター提供:株式会社エディオン、ソニーコンスーマーセールス株式会社